2011年5月29日日曜日

BAJACALIFORNICATION


California - Baja 2 weeks off


911のテロが起きたのが2001年なので、ちょうど10年前から5年間生活していたCalifornia。アメリカの西端に位置している。今も昔も空は青く、空気は乾き、そこに集まる人達が作る刺激的な文化がある。戦争に疲れ果てたヒッピーが集まったのも西海岸だった。そして2011年、2週間のBaja-Californiacation。当然時を経るごとに少しずつ変化はあり、今回訪れてすぐに感じたのは、確実に人の数が増えた事と、ガソリンが高くなったことかな。古き良きCaliforniaは残念な事に少しずつ失われているように感じる。



"どうしてアメリカに住んでたの?" "アメリカで何していたの?"と聞かれる事がある。例えばCaliforniaがフランスにあればそこへ行っていたはずだ。アメリカというよりカリフォルニアの文化に今も昔も魅せられている。サーフィン、スケートボード、音楽、芸術。何をしてたのかは正直あんまり憶えていない。それだけ5年間、良い時間を過ごしていたのだ、ということで御勘弁いただきたい。



北アメリカ大陸にスペイン人が侵略し、先住民(ネイティブアメリカン)から土地を奪い、その後、ヨーロッパの連合が更にその土地を占領した、という歴史の流れがアメリカ合衆国が成立した経緯だ、ということすらも今回の旅で始めて知った。



そう教えてくれたのは旧友の写真家Zach Cordner。寿司屋でバイトしていた時、よく食べに来てくれた。可愛い子豚をペットにしていて、一緒に散歩に行ったのは良い思い出。



到着して数日は風が強く、波もイマイチだったので何度かスケートパークに遊びにいった。パークの質は高く、数も数え切れないほどある。今アメリカのキッズ達のロックスターは間違いなくスケートボーダーだ。マーケットは大きく、シャキール・オニールの隣に住んでいるスケーターもいる、なんて聞いたこともある。



アメリカで使われている一ドル紙幣の裏に描かれているピラミッドと目。これが資本主義社会のトップに位置するフリーメイソンのシンボルマークだというのは有名な話。同じくよく知られた話であるが、この目と日本の千円札の野口英世の左目を見比べていただきたい。その後千円札を裏返して富士山を透かしてみてほしい。マジ怖えから止めていただきたいものだが、資本主義のシステムというのは必ず底(平社員)がありトップ(社長)がある、というのは事実だと思う。システムは便利だ。生活を豊かにする。でもそれを世の中の全てに当てはめるには無理がある。確実に無理がある。もしかしたら今回の原発事故問題の核心もその辺りなのかもしれない。話を旅に戻そう。頭がおかしくなってしまいそうだ。



対してメキシコの紙幣には俺の大好きな芸術家、フリーダ・カーロが描かれていた。



陸続きの国境を越えてMexicoに行く事が運良く出来た。現地で暮らす友人とタイミングが合いケアしてもらえたのは本当にラッキーだった。5年前日本に帰って来てから、それまでも治安が悪かった国境の街Tijuana-ティファナを中心にして、ギャングと国の間で麻薬戦争が起きて更に治安が悪化している、という話を聞いていた。始まってから4-5年ほど経ち、内紛は決して収まっていなかったが、アメリカからの旅行者、ツーリストとして振る舞うべきルールは明確化してきた(例えば夜はドライブしない、下手に路肩に駐車して地図を見たりしない等)、という印象だ。そのルールに従う。もちろん国境付近での馬鹿げた行動は大変なリスクを伴う。ちなみにアメリカからメキシコへの入国はパスポートのチェックはなく、高速で料金所を抜ける感覚。



迷路のようなTijuanaを抜けて海沿いを南へ2時間くらいドライブすれば、ある程度、北斗の拳のような世界からは脱却し、手つかずの自然が溢れる優しくバーバリアンな土地に達する。何も無かった頃のカリフォルニアはきっとこんな静かで綺麗な所だったはずだ。



海沿いをさらに南へ、Ensenadaという町、今回の旅の目的地へ。到着してすぐ地元のパーリーへ。以前訪れた時にも一緒にバカやった地元のやつらとかなり久しぶりに再会したり、もちろん新しい出会いも会った。150人くらいの老若男女が来ていたそのパーティーは本当に楽しく、飲み、踊り、ローカルバンドはManu Chaoのカバーもプレイしていたり、笑顔と煙に包まれて夜は更けて行った。





アメリカ、メキシコで呑んだ様々な種類のビール。写真には無いが、各種のライトビールが30代に突入した俺には、特に美味しく感じた。



二日酔いの朝、光を浴びた花や海の色彩。





予報されていた通り、ニュージーランドからやって来た南ウネリは大きくパンプアップし、ようやく本格的なサーフセッションが始まった。ほぼ貸し切りなロコブレイク。沖にはビックウェーブで有名なトドスサントス島が見える。





滞在中一番エピックだった朝のポイントブレイク。早くて長いライトハンダー。



The 野営。メキシコでは海でのんびり皆と時間を過ごすカルチャーが根深いように感じる。何をするでも無く浜にいる。サーフィンが終わってもパッと帰らず、みんなグダグダしている。


いい波をひとしきり乗り終えて家に帰るアミーゴ達。小さなビートルに大男二人、プラス板2本。スタイル全開。






そして夜はセーールベッサ!眠らないEnsenadaの夜。この写真の日も確かド平日だったと思う!






メキシコで巡り会った様々な髑髏のアート


今年は雨が多いためサボテンは花を咲かせていた。ステイ先の庭で。


メキシコでは家庭用ガスをスタンドまでゲットしに行くスタイル。


町に貼ってあったコンサートのポスター。入場料60ペソは500円くらいか。



良い時間はすぐに過ぎるのが世の常。折り返し帰途へ。アメリカへの入国は厳しく、国境で手続き渋滞2時間。行商人が狭い車の間を縫って物を売る







見つめる先は太平洋。ゆっくりと船が海を行く。漁を終え港へと帰るのだろうか。