2011年2月2日水曜日

To'sのパーカーのはなし



ょうど一年くらい前、
近所に日本一ハイビジョンなプラネタリウムが出来た、という話を聞いていたので、じゃあ明日いってみようか、とカミさんと話していた夜のこと。

ずとその夜も話の流れは宇宙や世界の謎や不思議なんていう内容に至り、一緒に遊んでいた友達のひとりが、”地球の終わりは2012年12月であり、それはマヤ暦に書かれている”、とちょっとカルト的な話をしてくれた。その話はインターネットで見ていただければ詳しいが、すごく興味深い話だったし、俺はすぐに人の話を鵜呑みにしてしまうので、”おいおい、再来年かよ、そりゃまた急な話だな、でももしかしたら明日行くプラネタリウムにヒントが隠されているかもな”、なんて考えていた。

ラネタリウムは噂通りとても良いクオリティーで、ご存知の通り、宇宙にはマジで沢山の銀河があり、銀河はマジで沢山の星から出来ていることや、宇宙全体から考えると一つの銀河など塵みたいなもので、その小さな銀河は何十億という星から出来ていて、そう考えると地球の大きさなどチョーーー小さく、塵にも満たないことなどを再認識できた。

まりどういう事なんだろう。その塵の中で俺は上手くいったり下手こいたり、毎日喜怒哀楽を繰り返して、中途半端に、それでもいつも上を向いて小さな人生を歩んでいる。だけどそんな生活もご先祖さま曰く、来年でジ・エンド。つまり明日から俺は何を考えて生きて行くべきなのか。どうせ終わりなら少しでも多く1173乗ったほうがいいのかな?、いやそんなにちっぽけでもこんなに綺麗な星に生まれたんだから、この身を投じて慈善活動でも、と車を運転しながら、でも”帰りにスーパー寄ってく?”なんてカミさんとなんでもない会話を交わし、プラネタリウムから離れるにつれ、少しずついつもの生活に戻って行くように思えた。

り道に普段なかなか寄る事の出来ないリサイクルショップの事をカミさんが思い出し、”あそこ寄ってこー”、ってことになって、俺も店内をぐるっと、まだ寒いからかっこいい安いパーカーでも、と洋服をゴソゴソやってると、ん?このパーカーの刺繍、どこかで??ああそうだ、To's Mexican Foodって俺が住んでた町のあのちっちゃいタコス屋じゃん!!

のパーカーは¥900とリサイクルショップで売ってるパーカーにしては少々割高だったが、即ゲットした。俺が5年間住んでいたカリフォルニアのオーシャンサイドっていうビーチタウンにある小さなタコス屋、To's(トズ)。安いけど味はまあまあ、サルサがおいしくて、店主は後ろ髪の長いメキシコ人のレスラーみたいな奴だったなあ。奥さんは子供をオンブしながらブリトーを作ってた。俺が行くと”グラシアス、ハポネース”って迎えてくれた。ネットで調べてみるとTo'sはチェーン店ではなく、全米全土でそこだけオンリーワン、しかも友達の話では店を閉めちゃって、もうないと言う。友達とチョリゾブリトーを食べながら、ぼちぼちサーフィンしようかー、なんてTo'sの店の前のベンチでのんびりしてたっけなー。そんなTo'sのオリジナルパーカーが大きな海を越え、時を越えて俺の手元に届いた奇跡はもしかしたら宇宙創造の謎に匹敵する、とマヤ暦にも書いてあるんじゃないかあー!なーんてなー!そりゃ大袈裟すぎだなー!でもほんとに不思議だなー!その安い生地の黒いシンプルなパーカーは俺のお気に入りになり、冬場はカミさんが洗濯してくれてるとき以外、今に至るまでほぼ毎日ヘビーローテーションで着ている。

も話はそれで終らなかった。俺のバイト先には共有の制服置き場があり、各自服をハンガーに掛けておく。休憩になる度そこから自分の服を持って出るのだが、ある日、というか一昨日、俺の大事なTo'sのパーカーが誰か他の奴のハンガーに掛かっていた。おいおい、寒みいからって人の服を勝手に着るなよ!、ん?あれ?俺のはここにあるし、あれ?ちょっと新しい、、と、と、To'sが2枚あるじゃん!!

札を見る限り知らない奴のだったので、俺はそれ以上深く考えるのをやめた。それよりも来年あたりあのカリフォルニアの乾いた空の下、チョリゾブリトー/wチーズ、そしてよく冷えたテカテビールを勢いよく飲み干して、俺に起こったこのちょっと不思議なんだかそうでもないのか、よくわからない出来事をほろ酔い気分で思い出そう。そしたらきっとフィーリン・グレイト・アズファック。









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